ドラマ「金田一少年の事件簿」第1シーズン(堂本剛Ver)【第3話”オペラ座館殺人事件”感想】ドラマも原作もどちらも甲乙つけがたい

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ドラマ「金田一少年の事件簿」第1シーズン(堂本剛Ver)【第3話”オペラ座館殺人事件”感想】ドラマも原作もどちらも甲乙つけがたい

※この記事は<2022年4月13日>に執筆したものを再掲載したものです※

”オペラ座館殺人事件”。原作単行本では1~2巻で収録されている、はじめが遭遇する初めての事件になる。にも関わらず、1時間枠で収めているので、詰め込み過ぎで結局はまたじぶんの中での原作好きに拍車がかかるだろうなと思ってた。思ってたのだが、”オペラ座館”に関してはどちらも甲乙つけがたいと素直に感じた。

もちろん、2話に分けて欲しかったというのは今回もある。それはもうどの話でも言えることだ。まず、はじめの素質を一番に認めていた緒方先生が出てこないこと。かわりになぜか美雪が演出を買って出てたのもどうにも不自然だった。そして演劇部員との交流の場面があまりなく、その分思い入れも少なくなり、事件が淡白に感じてしまったことはやはり残念だった。

とはいえ、緒方先生は原作では殺される。しかも犯人が仕方なくという形でだ。それは良かったというべきか。憎い相手だけを殺すのと、無関係の人物までもを殺すのとではわけが違うからだ。(当然、殺人自体を肯定するものではない)

また、原作とは違い、オペラ座館の黒沢オーナーの愛弟子が月島さんということで犯人をかばったり、彼女の犯人宛の手紙を預かっていたり、とそういった話を盛り込んだことでうまく話をまとめているように感じて良かった。(原作では月島とは別人の、彼自身の娘がかつて自殺している)

そして、月島が顔に硫酸をかぶった件。犯人のターゲットにされた3人の演劇部員は、原作では少量とはいえ本当に硫酸を故意に月島にかけたが、ドラマでは結果的に硫酸をかぶらせてしまったこと、この違いは大きい。(とはいえ、ドラマではあまりにも不安定過ぎる場所に硫酸が置いてあったのがそもそもおかしい)

それから話も大詰め、はじめが犯人にある罠を仕掛けるところ。原作ではその罠の仕掛けをそのままにしていたことで(ドラマでは仕掛けをはずしていた)結果的に犯人にその場で自殺をさせてしまうが、ドラマでは犯人が突然走り出して海に身を投げてしまうこと。いづれも自殺ではあるが、罠をそのままにしていた原作はどうにも腑に落ちなかったので、そのあたりを変えたのも良かったと思う。(それでも自殺を回避する展開があってほしかった)

最後に、原作では犯人と月島は恋人で、ドラマでは両想いではあったようだが恋人未満だったことで「オペラ座の怪人」により沿った設定に替えてたところが個人的にとても好きだなと思った。(さらに個人的なことを言えば、小橋賢児さんが出演されてるのを知って嬉しかった!)

こうして見ると、ドラマの方が好きみたいに感じられるかもしれない。だが、どちらにもいいところも、そして残念だったところもある。それぞれが互いに補って「オペラ座館殺人事件」を色濃いものにしてくれていて、この話に関してはどちらも甲乙つけがたく、ドラマの金田一もやっぱりいいもんだなと思った。(いや、そもそも今まで見てきたドラマ版も好きは好きだが、比べたら原作のがより好きだという作品が多かったので。)

追伸:
三浦理恵子さんの演じている”友代”、「学園七不思議」「墓場島」「オペラ座館」のいづれも出てきたが、性格と見た目が似た別人としか見えない。いっそ、三浦さん自身は変えず、役名を変えた方が混乱が少なかったのではないかと思う。(そもそも秋山純くんは第2シーズンでは別役で出てる)そのうえ、まだ見てない回にもまた別の”友代”がいるかもしれないが、”友代”一人がいろんなものを抱えすぎてるのだよ・・。