ドラマ「金田一少年の事件簿N(neo)」(山田涼介Ver) 【第1話「銀幕の殺人鬼」感想】むしろドラマ版が好き
2023.09.02投稿
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※この記事は<2022年4月26日>に執筆したものを再掲載したものです※
2022年4月24日(日)に第5シリーズの「金田一少年の事件簿」(道枝駿佑Ver)放送が始まった。と同時に、Tverでは山田涼介くん
Verのドラマも一挙放送が開始(再開)。第1話「銀幕の殺人鬼」(原作単行本ではCaseシリーズの2冊目に収録)を見てみた。
はじめちゃんに山田涼介くん、美雪に川口春奈さん(個人的には馴染みない方)、剣持警部に山口智充(ガタイが良過ぎな感あるが、親しみやすい)。
そして、佐木役に有岡大貴さん(彼も馴染みなかった方)、真壁に浅利陽介さん(「相棒」同様にクセある役柄)。レギュラーメンバー(真壁は今のところ?だが、最初から仲良さそう)はなかなか感触よし。
スペシャルが先に放送されたからか、流れはそこからの続きのようで、ドラマシリーズから入るとちょっぴり面食らった。(近いうちに見る予定)
さて、「銀幕の殺人鬼」での登場人物。蔵沢光役で神木隆之介くん(「金田一」出演は知らなかった)、泉川シゲキ役で岡山天音さん(「ゆうべはお楽しみでしたね」「アイズ」、最近では「最愛」に出演)と個人的には馴染みの役者さんが続いて嬉しい。ほかの方は顔だけは知ってるような方(曖昧)もいるが、ほぼ初見の役者さんたち。そんな役者陣によって、話が展開される約1時間半の作品だ。
山田涼介くんの金田一はじめは意外にも歴代で一番お茶目に見える。○っぱいというワードを連発し、原作の彼よりもおちゃらけてる気がしなくもないが、悪くない。むしろ好き。山田くんはこんな風に演じていくのか!つい先日放送開始された道枝くんのはじめと比べてみるのも一興だ。
川口春奈さんの美雪は今まで見てきた美雪より少しおとなしめの印象。おそらく、ともさかりえさんのイメージが強く残ってるのと髪型のせいもあるかもしれない。だが、どちらかというと性格的には原作の美雪に近い気がする。髪型を似せていればもっとそう感じたかもしれない。
佐木と真壁は第1,2シリーズと同様、二人そろって半レギュラーか。特に真壁が妙に距離が近く、はじめたちとも仲良しな印象。彼らの動向も気になるところ。
さて、肝心のストーリー。大筋では原作をなぞらえてはいるが、内容を変更している点も多い。ドラマ「金田一少年の事件簿」を今まで見てきた限りでは、原作に多く軍配を上げてきたが、この話に関していうなら個人的にはドラマの方が断然好きだと言える。(美雪とはじめのちょっとしたすれ違いも見どころのひとつになっている)
ドラマの蔵沢は原作よりも人間くさく、偉大な祖父を抱えた悩みがよりストレートに伝わってきて、ゆえに犯人にやられた時のショックも大きかった。神木くんの演技力によるところもあるだろうし、脚本上で映研部員同士の軋轢を原作以上に描いていたので人間ドラマとしても深みを持たせているおかげかもしれない。
黒河美穂は原作の”ミステリアス神秘的な”女性だったが、ドラマは”女優になりたい気持ちの強い勝気な”女性の印象を受けた。また、その性格ゆえに急に主役に抜擢された美雪への嫉妬が強く浮き出ていた。その上、一度殺人の疑いをかけられて連行されてしまったのは原作にない箇所だが、それまでの流れもあってか特に違和感は感じさせなかった。(余談だが、なんとなく見覚えがある顔だと思っていた黒河役の岡本あずささん。調べてみると「勇者ヨシヒコ」の妹・ヒサ役の方だった!)
遊佐チエミ(上白石萌歌、5代目の美雪役の方でもある)はドラマではわりとおとなし目な印象。(原作ではどちらかというと、ドラマの黒河に近い性格)星野かなえは原作より影が薄くなったが、役割的には妥当なところに落ち着いたか、ドラマオリジナルの辻くんと同じ立ち位置になっている。
そしてストーリーの肝でもある、映研の撮影した映画のビル間を飛び越えるシーン。はじめがトリックを実行するシーンもそうだ。これらをよく再現したと思う。メイキングシーンを見たくなるぐらいだ。
蔵沢が原作よりは悪くないやつに見えても、本多を死なせたうえで埋めてしまった罪はやっぱり深い。泉谷たちもそれは同様だ。本多の死をあざ笑っていたこともさらに罪深い。(蔵沢は本心ではあざ笑ってはいない演出がにくい)そんな彼らだが、どんな人物であっても殺めることはあってはならない。そこを踏みとどまれなかった犯人に同情はするが、許されるべきではない。
第1話にして内容が濃いドラマだった。原作の存在を抜きにして、ドラマ単体としても完成度の高い作品に仕上がっている気がする。とはいえ、山田涼介くんバージョンの「金田一少年の事件簿」もまだ始まったばかり。(見始めたばかり)このクオリティで2話以降も続いて行くと期待を膨らませつつ、見ていきたい。