劇場版「名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)」【感想】よそはよそ、うちはうち

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劇場版「名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)」【感想】よそはよそ、うちはうち

今回の舞台になったのは船上。とはいってもただの船じゃなく、イージス艦という特殊な船だった。その船での体験航海に参加できることになったコナンたちのお話。

当然(なのかどうなのか)、じぶんはイージス艦というものに入ったことはもちろん、その名だけは聞いたことがあっても、どんなものなのかはほとんど知らなかった。今回はそのイージス艦のディテールを知ることができたのがまず楽しかった。毎回そうやって知らない世界を、ほんの触りかもしれないものの、知ることができるのはもはや「名探偵コナン」の醍醐味と言っていいかもしれない。

そんなじぶんの気持ちとは裏腹に、艦の内外でざわついているのが本編。艦内の説明を聞いてる時に耳にした不審な音に始まり、階級が上であるにも関わらず、仕事はどんなことをしてるかと聞くと「食事を作ってる」とだけと言う女性乗組員、そしてなんとなく不自然な振る舞いをする父子。何をどう考えても、ただごとじゃない。

話が進むうちに、国家レベルで脅かされる可能性があるほどの事態だと分かり、いつもに増してスケールが大きくて驚いた。それをコナンはもちろん、外にいる阿笠博士や灰原、服部平次たちに協力してもらって解決していく様子をいつになくワクワクしながら見ていた。

だが、蘭がエックスなる人物と格闘し、そして艦から落とされた(この時点では海へ、という描写はない)あとからは気が気ではなくなった。もちろん、「名探偵コナン」のヒロインだから助からないわけはないとメタ的には思ってはいるものの、それでもだ。

勇気という男の子を救おうとした時に落とされたから、当然彼は見ていたし、そのことを大人たちに知らせようと動くもののなかなか伝えることができないから余計にハラハラさせられた。コナンにはせめて伝えられるか、と思ったらエックスを捕まえようとしていてそれどころじゃなく、捕まえたあとも事件の真相が明らかにされてなかったのでその推理を小五郎と通して披露して・・とこっちは蘭のことが気になってしまい、さらに焦りが募っていく。

やがて真相がわかったのも束の間、勇気が蘭のことを園子たちに伝えてくれておかげで蘭がどこにもいないこと、そして海に落ちたということがやっとのことで発覚する。もう絶望しかない…普通なら。いろいろツッコミたい気持ちもありつつも、なんとか蘭が救出された時はやっぱり嬉しくて涙が出てしまった。

作品の登場人物を調べるべくネットを見たとき、図らずもこの作品に対してあーだこーだ否定的な意見も散見され、モヤモヤしてしまった。その気持ちも分からなくはないが、もはやそんなことはどうでもよくなった。少なくともじぶんは今回の作品もじゅうぶん楽しめた作品なのだ。よそはよそ、うちはうちなのだ。それと同時に、逆の立場にもなることもあるから、「名探偵コナン」に限らず否定的な感想を書くときは肯定的な感想を抱く人もいるんだということも考慮しながら書いていこうとも思った。

最後に今回、藤井七瀬役で声優を務めた柴咲コウさん。俳優さんが声優としてアニメなどで参加すると、なんとなく違和感を抱くこともあるが、彼女に関してはとても自然に感じた。

彼女が何かしらの役をされたというのは作品を見る前に知ってはいたが、それでも七瀬役だと知るまでは彼女だとは全然わからなかったぐらいだ。俳優さんが声優を務めることに否定的な意見もよく見かけるが、合ってるならいいんじゃないって当たり前なことを言って感想を終わるとしよう。

※筆者は[affi id=6]にて視聴しました(2022年6月末まで視聴可)

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